記事一覧へ戻る
2026.10.13 / RETAIL / BEAMS SPORTS

服を買う理由の前に、通う理由をつくる。ビームスの公園店舗が問うリアルの価値

公園に隣接したスポーツウエアショップとカフェの交流空間(AI生成イメージ・実際のBEAMS SPORTS店舗ではありません)

都立明治公園にBEAMS SPORTS初のコンセプトストア。スポーツ、古着、カフェを重ねた新拠点から、売上だけでは測れない店舗の役割を考える。

FACTS / スポーツとファッションの接点を、公園につくる

ビームスは10月2日の公式発表で、BEAMS SPORTS初のコンセプトストアを10月12日、東京都新宿区の都立明治公園A棟1階に開くと告知した。営業時間は10〜19時。今回の新店は、服を買うだけでなく、人が集まり交流する拠点を目指す。

店舗面積については、10月9日のFASHIONSNAPが約155平方メートルと報じている。一方、今回確認したビームスの公式発表には面積の記載がないため、これは報道に基づく数値であり、カフェとの面積区分などは確認できない。開業後の来店数や売上実績も、今回の参照資料では公表されていない。

FACTS / 競技用ウエア、古着、日常着を同じ文脈に置く

公式発表が挙げる強化領域は、ランニング、トレイルランニング、バスケットボール。R.A.D RUNNING、Winiche & Co.とAKTRの協業商品、スポーツ関連の古着を扱い、店舗限定のオリジナル商品は8型を展開する。競技のための機能と、普段の服として楽しめる感性を結び付けた構成だ。

別の公式商品紹介では、ランニングブランドALEX ZONOも紹介されている。古着は新品の代替というより、スポーツの歴史やカルチャーを身に着ける選択肢として並ぶ。機能性だけを比較する売場でも、流行だけを追う売場でもない。スポーツを楽しむ人の生活を、商品を通じて広げる提案と読み取れる。

FACTS / カフェとイベントは、来店の入口を増やす

併設するParkletは株式会社Stapleが運営するベーカリーカフェ。公式告知では営業時間は9〜19時とされ、パンやコーヒーなどを提供する。ビームスは、カフェの座席や空間を使ったスポーツ関連イベントやトークショーの開催が可能になると説明している。継続イベントの具体的な日程や頻度がすべて決まったという意味ではない。

10月12日の開業パーティーは18〜21時、入場無料と告知された。DJ、ランニング企画の中継、バスケットボールのフリースロー企画などが予定されている。本記事では公式の事前告知内容として紹介し、実際の参加人数や成果を確認したものとは区別する。

BUSINESS VIEW / 商品を買わない日も、顧客との接点になる

ここからはFASHION SHIFTの考察だ。ECで商品情報を調べ、比較し、注文できる時代に、店舗の役割を販売だけで説明することは難しくなる。公園で体を動かした後に立ち寄る。観戦前に仲間と会う。コーヒーを飲みながら新しいブランドを知る。こうした訪れる理由があれば、購入予定のなかった人にも商品との接点が生まれ得る。

重要なのは、カフェを付ければ必ずコミュニティが育つということではない。誰に向けて、どんな活動を続け、その場にいる人同士が何を共有できるかまで設計する必要がある。店舗スタッフにも、販売に加えて場を案内し、初めて来た人が参加しやすくなるよう支える役割が求められる可能性がある。

BUSINESS VIEW / 店舗売上に加え、関係が続くかを測る

このモデルを評価するなら、その日のレジ売上に加え、新規来店者、イベント後の再来店、会員登録、継続購入を追うことが考えられる。顧客生涯価値は、顧客が長期にわたりもたらす利益を見る指標だ。ただし、BEAMS SPORTSがこれらを現に採用していると確認したわけではない。経営側に提案したい測り方である。

イベントの参加人数が多くても、運営費や人件費が膨らめば持続しない。顧客との関係が深まっているかと、その関係を育てる費用が適切かの両方を確認したい。会員情報や購買履歴を用いる場合は、顧客の同意と利用目的を前提に、店舗とECを横断して把握する方法を考える必要がある。

BUSINESS VIEW / リアルとECを、取り合う売場にしない

店で商品を知り、後日ECで買うことも、ECで見てから実物を確かめることもあり得る。その場合、オンラインの注文だけを見て店舗の貢献をゼロと評価すれば、体験に投資する判断を誤る可能性がある。ただし、今回確認した発表では、この新店固有のEC連携施策や相互送客の成果は開示されていない。成果を先取りせず、今後確認したい課題として位置付ける。

服を売る店舗が不要になったと結論づける必要はない。問われているのは、服を買う理由と、その場所に通う理由を一緒につくれるかだ。商品の品揃えにスポーツと交流の文脈を加える今回の試みは、店舗を顧客との関係が蓄積する場所として捉え直す材料になる。

SOURCES / 出典・元記事URL

BEAMS/コンセプトストア公式発表・2026年10月2日
https://www.beams.co.jp/company/information/pressrelease/261

BEAMS/商品構成・開業パーティー・Parkletの公式案内
https://www.beams.co.jp/news/5030/

BEAMS SPORTS/公式店舗ページ
https://www.beams.co.jp/shop/bsm/

FASHIONSNAP/2026年10月9日・面積約155平方メートルの報道(公式値とは区別)
https://www.fashionsnap.com/article/2026-10-09/beams-sports-open/

AI生成イメージ。紹介企業の実際の店舗・商品・社員、技術や過去の記録写真ではありません。