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2026.10.23 / BRAND / GUCCI / KERING

グッチ、売上6%減で苦戦続く。デムナ起用でも回復は道半ば

革製バッグの製作工程を表したAI生成のアトリエイメージ。Gucciの実際の商品・工房ではありません。

Gucciの2026年7〜9月売上高は12億9,100万ユーロ、比較可能ベースで6%減だった。新しい商品が届き始めても再建は一足飛びには進まない。過去の成長とクリエイティブの変遷から、ブランドを再び選んでもらう難しさを考える。

FACTS / Gucci単独で比較可能ベース6%減

Keringが2026年10月22日に公表した第3四半期売上によると、Gucciの7〜9月売上高は12億9,100万ユーロ。前年同期比は報告ベースで4%減、為替と連結範囲の影響を調整した比較可能ベースで6%減だった。Kering全体の売上高33億4,500万ユーロとは別の数字である。

Gucciの直営小売は比較可能ベースで9%減。卸売・その他は35%増だった。卸売単独では1億2,000万ユーロ、45%増であり、「卸売・その他」の伸び率と混同しない。販売チャネルによって動きが異なり、ブランド全体の数字だけでは直営店の回復を判断できない。

会社は来店客数が主な制約として残る一方、新コレクションによって購入率や平均価格、平均客単価が改善したと説明した。こうした説明は回復の手掛かりにはなるが、それだけで継続的な増収や利益の改善が確定したわけではない。

BACKGROUND / 売上規模が示す、再建の大きさ

公式資料によるGucciの通期売上高は、2022年104億8,700万ユーロ、2023年98億7,300万ユーロ、2024年76億5,000万ユーロ、2025年59億9,200万ユーロだった。いずれも通期の報告ベースの金額であり、2026年第3四半期単独の数字をそのまま並べて年間規模の減少と比較することはできない。為替の影響も含まれる。

かつてのGucciは、ブランドの歴史と現代のカルチャーを組み合わせて存在感を高めた。The North Faceとの協業ではアウトドアの機能的な装いを取り込み、adidasとのコレクションは2022年6月7日に発売。服、バッグ、シューズなどへ両者の意匠を展開した。

これらの協業の存在や商品展開は公式情報で確認できる。一方、若年顧客の比率やコラボ単独の売上寄与は確認できない。「若い世代を引きつける勢いがあった」という評価は、後述する編集長の見方として扱う。

FACTS / デムナの就任と、商品が届くまでの時間

Alessandro Micheleは2022年11月に退任。Keringは2023年1月28日にSabato De Sarnoの起用を発表し、2025年2月6日に協業の終了を発表した。新しい方向をつくるトップの交代が続いてきた。

Balenciagaを率いたDemnaのGucciアーティスティック・ディレクター就任は2025年3月13日に発表され、始動は同年7月初旬とされた。Keringの2025年通期決算発表によると、2025年9月に提示した「La Famiglia」は2026年1月初旬から順次展開された。就任発表、仕事の開始、顧客が商品を購入できる時点は異なる。

2026年7〜9月はすでに新しい商品の投入が進む期間だが、商品構成全体の切り替えや顧客の反応には時間差がある。今回の減収だけから、Demnaの起用が失敗したと評価することはできない。

ANALYSIS / 新しいデザイナーだけで再成長できるか

ブランド再建には、新しい表現を示すことに加え、商品が店頭に届き、顧客が価格や品質を納得して購入し、次の購入へつながるまでの運営が必要になる。話題を生むコレクションと、継続的に選ばれるバッグや服を育てる仕事は、重なりながらも同じではない。

直営店の来店が弱い中では、新規顧客を呼ぶ施策と既存顧客への提案の両方が問われる。購入率や客単価の改善が続くか、来店の回復につながるか、主力商品が繰り返し選ばれるか。売上だけでなく、こうした動きを継続して見ることが必要だと考える。広告投資を増やせば解決する、といった単一の処方箋は示せない。

Miu Miuの最新決算は、急成長した前年との比較で四半期売上が減少した局面であり、Gucciの数年にわたる規模縮小と同一ではない。ただし、いずれも一時的な注目を長期の顧客関係へ変えることが経営の核心になる。新しいデザイナーの発信と、商品・店舗・接客を通じた体験がつながるかが、再成長を見る重要な視点になる。

編集長・竹内 真はこう見る

グッチの苦戦が長引いている。かつてはザ・ノース・フェイスやアディダスとのコラボレーションが大きな話題を呼び、アパレルもファッション性が高く、若い世代からも支持を集めていた。

あの頃のグッチには、ラグジュアリーブランドでありながら、ストリートカルチャーや若者の感性を取り込む勢いがあったと思う。

ブランド再建に向けて、バレンシアガを率いたデムナを新たに迎えた。しかし、今回の決算でも売上はマイナス成長が続いている。もちろん、クリエイティブの刷新が売上に反映されるには時間がかかる。

それでも、かつてあれほどの熱狂を生み出したブランドが、再び消費者を惹きつけることの難しさを感じる。新しいデザイナーの起用だけで、ブランドは再生できるのか。今後のデムナによる商品展開と、それに対する顧客の反応に注目したい。

SOURCES / 出典・元記事URL

Kering Revenue for the 3rd quarter of 2026/2026年10月22日
https://www.kering.com/en/news/revenue-for-the-3rd-quarter-of-2026/

2022 Annual Results/2023-02-15
https://www.kering.com/assets/front/documents/Press%20release%20-%202022%20Annual%20Results%20-%2015%2002%202023.pdf

2023 Universal Registration Document/2024; exact publication day not verified
https://www.kering.com/api/download-file/?path=Kering_2023_URD_PDF_format_2235e8e3b5.pdf

2025 Results/2026-02-10
https://www.kering.com/api/download-file/?path=Kering_2025_Results_Press_Release_bd7165a4ea.pdf

Kering クリエイティブ責任者に関する公式発表/2023-01-28
https://www.kering.com/en/news/sabato-de-sarno-appointed-creative-director-of-gucci/

Kering クリエイティブ責任者に関する公式発表/2025-02-06
https://www.kering.com/en/news/gucci-ends-its-collaboration-with-sabato-de-sarno/

Kering クリエイティブ責任者に関する公式発表/2025-03-13
https://www.kering.com/en/news/demna-appointed-artistic-director-of-gucci/

Kering クリエイティブ責任者に関する公式発表/2026-02-10
https://www.kering.com/jp/news/2025-results-sequential-improvement-unlocking-the-next-phase-of-sustainable-and-profitable-growth/

adidas x Gucci is here/2022年6月7日
https://news.adidas.com/originals/adidas-x-gucci-is-here/s/73828335-7f0b-4f46-8d9a-ba0af35277c5

Gucci The North Face x Gucci 公式コレクション紹介
https://www.gucci.com/us/en/st/stories/article/the-north-face-gucci-campaign-wave-2

Reuters Gucci sales slip again in latest blow to Kering recovery plan/2026年10月22日
https://www.reuters.com/business/retail-consumer/guccis-sales-drop-5-third-quarter-weak-chinese-demand-dampens-turnaround-hopes-2026-10-22/

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